コロナを味方に、提携効果も本格化で快走のペガサスミシン
工業用ミシンのペガサスミシン製造(6262)が、いぶし銀のような輝きを放ち始めている。工業用ミシンと言えば、布帛を縫製する「本縫いミシン」が主流だが、当社はニット向け「環縫いミシン」の専門メーカーで、世界でトップレベルのシェアを誇る。 本縫いミシンが主力のJUKI(6440)に比べて知名度は落ちるが、コロナ禍を”味方”につけ、前2022年3月期は売上高が前期比65%増の204億9800万円、営業利益が同3.5倍の18億4700万円となった。今2023年3月期も会社予想を大きく上回る可能性が高まっている。 ただし、コロナ禍が味方というのは、今だから言えること。新型コロナ勃発の当初は、災厄以外の何物でもなかった。新型コロナで世界中の商業モールが閉鎖され、縫製需要が一気にしぼんでしまったのだから。2021年3月期の第2四半期(2020年7~9月の3カ月間)の売上げは前年同期比45.9%減となり、この時点で、会社側は2021年3月期がリーマン危機以来の赤字決算に転落することを覚悟していた。 ところが、その第2四半期が底だった。第4四半期には3カ月間の売上高が第2四半期から倍増し、終わってみれば2021年3月期は5億円の営業黒字を確保。翌2022年3月期の第1四半期には売上げがコロナ前の水準を上回るまでに急回復したのである。